ありがとう三条パーキングビル・・・ダイニングビルに建替え
24時間営業、年中無休の三条パーキング(札幌市中央区南4条西2丁目)は2014年9月30日をもって営業を終了しました。
1965年7月に竣工されたビルは、当時まだ駐車場として成功するか否かわからない状況だったため、将来オフィスビルとして転用できるように設計されたとの事です。そういわれて見ると確かに駐車場ビルとしては外観や各階の天井高が贅沢な造りになっているなーと思います。
やがて車社会が到来し国道36号線も拡幅整備され、特に夜はススキノで遊ぶお客様には無くてはならない存在となりました。 最盛期には、夕方になると駐車場の前に順番待ちの車が並んでいた光景を懐かしく思い出します。
そんな賑わっていた駐車場も、交通規制の強化により車でススキノに遊びに来るお客様も減少、周辺に大型駐車場が建設され三条パーキングへの客足は遠のいてきました。
建設当時「東北以北最大の駐車場」とテレビや新聞のニュースになったビルも老朽化に伴い閉鎖へ・・・。
2014年10月1日朝、昨日までお客様や車の出入りで賑わい従業員が走って車両の移動をしていた駐車場が、いざ車も人もいなくなって車両用エレベータの動く音も止ってしまうと何となく寂しさが漂って来ます。
と、いつまでも感慨に浸っている暇もなく各階の電気を上階から順番に消してエレベータを停止、最後にシャッターを下ろす作業に入りました。
開業以来最後に下ろしたのはいつなのか分からないシャッターは意外にもスムースに下りてきました。「やったー」と思ったのもつかの間、下ろし始めたシャッターは途中で止まってしまいます。
永年使わなかったシャッター用の溝が曲がったり、つぶれたりしていたのです。溝を直して無理やりシャッターを下ろすこと数回、なんとか下りたものの今度は上がらなくなってしまいました。気が付くと乗って行った車と私たちは駐車場内に閉じ込められていました。
一度下ろしたシャッターを3人がかりで上げて無事脱出!
ビルの南側と北側で4枚あるシャッターに潤滑油をほどこし、何とか上げ下ろしの出来る箇所を1枚作り、残りの3枚は開けられないままになりましたが無事駐車場の閉鎖作業は終了しました。
色々な感情が入りまじり、50年間の歴史に感謝しながらの駐車場閉鎖作業に「ありがとう三条パーキング」。